日産自動車九州工場(福岡県苅田町)の川瀬賢三工場長は、西日本新聞のインタビューに応じ、生産拡大が続く中国について「九州の脅威になる」と警戒する一方、中国からの部品調達については「既に始めており、今後も増えるだろう」との見通しを示した。同工場では中国人研修生の受け入れも進めており、アジアの「マザー工場」としての役割を果たしていく考えも強調した。
−新型車の投入が続く。今後の生産見通しは。
「昨年度は約35万台にとどまったが、本年度は、8月に販売を開始した『エクストレイル』などの受注が好調で、40万台を超える見通しだ。08年度も前年度を上回る台数を見込む」
−部品の現地調達率が50%にとどまっている。
「調達率向上に向け、地場企業の育成に力を入れている。自動車産業は、極めて高い品質管理を求められ、参入には相応の投資も必要。尻込みする企業も多いが、いったん参入すれば、世界に通用する。地場企業には、九州だけでなく世界に目を向けてほしい」
−グループ内の工場間競争も激しい。生産が急速に拡大する中国をどうみるか。
「昨年、広州を訪れると、道路などインフラ整備も含め、拠点化が劇的に進んでいた。近い将来、広州の生産台数が九州と同規模の百万台を突破するのは確実だ。中国にはまだ品質、技術面で問題がある。完成車を本格的に輸出するには時間がかかるだろう。しかし、将来、九州の脅威になるのは間違いない。グループ戦略の中で生産車種を奪われる恐れもある」
−中国など海外からの部品調達の現状は。
「ある車種では、中国から30数品目を調達している。品質や納期が世界基準であることが大前提だが、コストメリットがあると判断すれば、うちは海外からでも部品を仕入れる。タイからの部品もある。中国からの部品輸入は、今後も増えると思う」
−人材交流も活発化しそうだ。
「九州工場では昨秋から、日産グループの国内工場で唯一、上海や広州からの中国人研修生を20数名受け入れている。今後も受け入れ体制の整備を進め、アジアの人材育成拠点としての役割を果たしていきたい」