日産自動車のカルロス・ゴーン社長が、国内最大の九州工場(福岡県苅田町)の位置付けについて、あらためて「重要なグローバル生産拠点」と語った。年間生産台数が50万台レベルに回復すれば、北部九州での自動車産業の集積に弾みがつくことになる。
日産九州工場は、1992年に第二工場が稼働したものの、実際の生産台数は一進一退を繰り返してきた。しかし2000年代のゴーン改革で、村山工場(東京都武蔵村山市)を閉鎖するなど生産体制を集約し、九州工場の存在感が逆に高まった。03年度に初めて50万台を突破。ただ、その後は新車投入がなく、国内や北米での販売が伸び悩み、生産は減少傾向にあった。
ゴーン社長は、九州工場について(1)品質が高い(2)国内の他地域に比べコスト競争力がある(3)専用の岸壁があり物流コストも安い−と説明。さらに「従業員が目標を上回る成果を出そうと挑戦している」と評価した。
九州工場の06年度出荷実績は、国内が29.7%で、残りは海外に輸出。北米31.8%、欧州18.3%など、バランスよく分かれる。九州からの輸出を強化することで、品質とコストを両立させた車を世界市場に投入したい−との思惑がある。
今後、日産車体が九州工場内に進出することで、全体の生産能力は年65万台となる。地場企業からの部品調達が増えるチャンスが高まり、世界的な輸出拠点を地域がどう生かすかが課題となりそうだ。